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副業の経費はどこまで認められる?会社員が計上できるもの・家事按分のやり方【2026年版】

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副業の利益は、シンプルに「収入 − 必要経費」で決まります。つまり経費を1円計上し損ねるたびに、その分だけ余計に税金を払っていることになります。

この記事では、確定申告が必要かどうかの判定(年20万円ライン)ではなく、「自分のこの支出は経費にできるのか」を自分で判断できる状態になることをゴールに置きます。20万円を超えるかどうかの判定方法は副業の20万円ルールを正確に整理するで別に整理しているので、要否から知りたい方はそちらを先にご覧ください。

本記事の情報は2026年6月時点の制度にもとづいて整理しています。税額や適用可否は個別事情で変わるため、判断に迷う支出は税理士・専門家にご確認ください。


経費の大原則 ——「事業に関連するか」がすべて

経費にできるかどうかの判断軸は、突き詰めると一つだけです。

その支出は、副業の売上を生むために必要だったか。

副業の収益活動と関連していれば経費になり、関連していなければ経費になりません。私的な支出を経費に混ぜることはできません。

そして実務でつまずきやすいのが、「私用と事業の両方で使っているもの」です。自宅の家賃、スマホ代、電気代などは、生活にも副業にも使っています。こうした支出は全額を経費にはできず、事業で使った割合だけを経費にする——これを家事按分(かじあんぶん)と呼びます。後半でやり方を具体的に説明します。

副業で経費にできるものリスト

代表的なものを「全額にしやすいもの」「按分が必要なもの」「判断が割れやすいもの」の3つに分けて整理します。

ほぼ全額を経費にできるもの

  • 副業のための外注費・委託費(デザイン外注、文字起こし代行など)
  • 仕事専用に契約した有料ツール・サブスク(編集ソフト、素材サイト、AIツールの月額など)
  • 取材費・打ち合わせの交通費
  • 副業専用に買った機材・備品(10万円未満のもの。10万円以上は後述)

これらは「副業のためだけに使った」と説明できるものです。

按分が必要なもの

  • 自宅家賃・住宅の光熱費
  • スマホ・自宅のインターネット通信費
  • 私用と兼用しているパソコン

生活と副業の両方で使っているため、事業使用分だけを切り出します。

判断が割れやすいもの

  • 書籍・セミナー代(副業に直接関係するテーマなら計上しやすい)
  • カフェでの作業時の飲食代(仕事の打ち合わせは可、一人の昼食はグレー)
  • 被服費(一般的な私服は不可)

これらは「副業の売上にどうつながるか」を説明できるかどうかが分かれ目です。

家事按分の考え方とやり方

按分とは、私用と事業の使用比率で支出を分け、事業分だけを経費にすることです。比率は「合理的な基準」で決め、その根拠を記録しておく必要があります。

家賃:使用面積または使用時間で按分する

たとえば自宅50㎡のうち10㎡を副業専用スペースにしているなら、面積比は20%です。家賃が10万円なら、月2万円を経費にできます。専用の部屋がない場合は「1日のうち何時間その場所を副業に使ったか」で時間按分する方法もあります。

通信費:使用時間や日数で按分する

スマホやネット回線を副業で週に何割使っているかで按分します。たとえば「平日夜と週末に副業をしている=おおよそ稼働の3割」と見積もれるなら、通信費の30%を計上する、といった形です。

光熱費:在宅作業の割合で控えめに置く

電気代などは事業使用分の切り分けが難しいため、家賃や時間の按分比率に準じて控えめに設定するのが無難です。按分比率は高く取るほど税務上の説明責任が重くなります。「なぜこの比率にしたか」を一言で説明できる範囲にとどめるのが安全です。

10万円以上の高額品は「減価償却」になる

パソコンやカメラなど、1点10万円以上のものは、買った年に全額を経費にできません。耐用年数(一般的なノートパソコンなら4年)にわたって分割して経費にする——これが減価償却です。

ただし、青色申告をしている場合は特例があります。1点40万円未満なら、その年に全額を経費にできる(少額減価償却資産の特例。年間合計300万円まで)。この上限は2026年4月1日以後に取得した資産から、それまでの「30万円未満」が「40万円未満」へ引き上げられました(年間合計300万円の枠は据え置き)。10万円以上の機材をよく買う人ほど、青色申告のメリットが効いてきます。

青色申告の始め方(開業届と青色申告承認申請書)は副業で開業届は出すべき?で、確定申告全体の流れは副業の確定申告ガイドで整理しています。

経費にできないもの・グレーゾーン

次のようなものは、原則として経費になりません。

  • 私的な飲食・娯楽・旅行
  • スーツや一般的な私服(副業のためでも私生活と兼用できるもの)
  • 健康診断・人間ドック(事業のための支出とは認められない)
  • 所得税・住民税・国民年金などの税金や社会保険料(経費ではなく所得控除の領域)

グレーゾーンの判断は、「事業との関連を第三者に説明できる記録があるか」で線を引くのが現実的です。説明できないものは無理に入れない、が安全側の運用です。

領収書・レシートの保存ルール

経費を計上するには、その支出を証明する領収書・レシートの保存が必要です。

  • 保存期間:青色申告では帳簿を7年間、請求書などの書類を5年間保存します(白色申告でも法定帳簿は7年、その他の書類は5年の保存が必要です)。
  • 電子取引データ:ネット通販の領収書やPDFの請求書など、データで受け取ったものは、電子帳簿保存法によりデータのまま保存することが求められます(2024年1月から本格適用)。

紙のレシートはためると年末に地獄を見ます。月に一度、まとめて記録するクセをつけておくと、確定申告の負担は大きく下がります。

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まとめ

副業の経費は、正しく計上すれば手取りを取り戻せる「権利」です。

  • 経費の判断軸は「副業の売上を生むために必要だったか」の一点
  • 私用と兼用するもの(家賃・通信・光熱費)は家事按分で事業分だけを計上する
  • 10万円以上は減価償却。青色なら30万円未満まで一括計上できる特例がある
  • グレーは「説明できる記録があるか」で線を引く
  • 領収書は月一でまとめて記録し、データはデータのまま保存する

按分や減価償却の計算は会計ソフトに任せ、あなたは「これは経費か」を判断することに集中するのが、いちばん挫折しない進め方です。

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なお本記事は一般的な情報の整理です。個別の支出が経費になるかの最終判断は、税理士・税務署など専門家にご確認ください。