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「副業で確定申告が必要なのは分かった。でも、結局なにをどの順番でやればいいのか」。本記事はその一点に答える、副業の確定申告の実作業の手順書です。
「申告が必要かどうか」「雑所得と事業所得のどちらで出すか」「青色と白色どちらを選ぶか」といった判断は、別記事「副業の確定申告ガイド【義務ではなく権利。青色と白色の選び方】」で整理しています。この記事を読んで方針が決まったあとに、本記事で「具体的にどう手を動かすか」をたどってください。
結論を先に言うと、いまの副業の確定申告は、準備 → 集計 → e-Tax送信 → 納税・還付の4フェーズで、税務署に行かずスマホだけでも完結できます。順番に見ていきます。
結論:副業の確定申告は「4フェーズ」で終わる
会社員の副業の確定申告は、次の流れに分解できます。
- 準備フェーズ:必要書類を4点そろえる
- 集計フェーズ:会計ソフトで収入・経費・控除を集計する
- 送信フェーズ:e-Tax(スマホ or PC)で申告書を作成・送信する
- 精算フェーズ:納税する、または還付を受け取る
紙の申告書を手書きし、税務署の窓口に並ぶ時代の手順を思い浮かべている方ほど、実際の作業の軽さに拍子抜けするかもしれません。日々の帳簿づけさえできていれば、申告書の作成・送信は数十分で終わります。
本記事は2026年5月時点の一般的な手順の整理です。税制・申告方法は改正や運用変更があるため、最終的な税額計算や個別ケースの判断は、必ず税理士・税務署・専門家にご相談ください。
全体スケジュール:いつ何をやるか
手順に入る前に、年間の時間軸を押さえます。「2月になってから慌てる」を避けるのが、副業の確定申告で最も効くコツです。
確定申告の期間
所得税の確定申告期間は、原則として毎年2月16日〜3月15日です(最終日が土日祝なら翌平日に繰り延べ)。直近の令和7年分(2025年分)の申告は、3月15日が日曜だったため**2026年2月16日(月)〜3月16日(月)**でした(国税庁)。
e-Tax(電子申告)の受付は、確定申告期間中は土日祝を含めて24時間可能です。税務署の開庁時間を気にする必要はありません。
還付だけなら2月を待たなくてよい
副業の経費や控除で「払いすぎた所得税が戻ってくる(還付)」だけのケースなら、2月16日を待たずに申告できます。還付申告の期限は対象年の翌年1月1日から5年間あるため、急いで提出する必要もありません(国税庁)。納税が発生する場合のみ、3月15日(前述の繰り延べ含む)の期限を意識してください。
納税のタイミング
納税が発生する場合、納付期限は申告期限と同じです。口座振替(振替納税)を選んでおくと、引き落としは申告期限より後ろにずれます(令和7年分は2026年4月23日が振替日)。手元資金の都合がある方は振替納税の登録を検討してください。
フェーズ1:必要書類を4点そろえる(準備)
申告作業を始める前に、次の4点を手元に用意します。これがそろっていれば、あとの作業は迷いません。
- 本業の源泉徴収票:勤務先から年末〜1月に交付されます。給与収入と源泉徴収税額を申告書に転記(または自動取得)します
- 副業の収入と経費の記録:1年分の入金額と、経費にしたレシート・請求書。後述の会計ソフトに日々入れていれば、ここは集計済みの状態になります
- 各種控除の証明書:生命保険料控除証明書、ふるさと納税の寄附金受領証明書、医療費の領収書など。本業の年末調整で適用済みのものは重複させません
- マイナンバーカード+読み取り対応スマホ:e-Taxで送信するための本人確認に使います
TIP
副業の収入・経費の記録は、年末にまとめてやろうとすると一年分のレシート分類で丸2日溶けます。月に一度、銀行・カード連携で取り込んだ取引を分類しておくと、申告期に「集計はもう終わっている」状態を作れます。
フェーズ2:会計ソフトで集計する【PR】
副業の収入と経費を、確定申告書の形に集計するフェーズです。ここを手作業の表計算でやると消耗するため、クラウド型の確定申告ソフトを使うのが現実的です。銀行口座・クレジットカードを連携すれば取引が自動で取り込まれ、「これは経費/これは事業外」を分類するだけで、申告に必要な集計(青色申告なら決算書も)が自動で組み上がります。
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代表的な2サービスの位置づけを、手順の観点で整理します。
| 項目 | マネーフォワード クラウド確定申告 | やよいの青色申告 オンライン |
|---|---|---|
| 最安プラン | パーソナルミニ:年10,800円 | セルフプラン:初年度0円/次年度11,800円 |
| 無料で試す | 1か月無料トライアル(クレカ不要) | 初年度無償キャンペーン(要決済情報登録・自動更新) |
| 向いている人 | ME(家計簿)など他のMF系を既に使っている/将来法人化も視野 | まず費用を抑えて始めたい/シンプルに使いたい |
集計フェーズの作業自体はどちらも「連携 → 取引分類 → 申告書出力」で同じです。すでにマネーフォワード系のサービスを使っているならマネーフォワード、初年度の費用を最小化したいならやよい、という選び方が分かりやすいです。どちらも無料で試せるので、UIを触って決めても遅くありません。
なお、副業所得が20万円以下で確定申告そのものが不要なケースもあります(詳しくは「副業の20万円ルール」を参照)。「キャンペーンが無料だから契約する」ではなく、「自分に申告が必要か → 必要なら無料で試す」の順で判断してください。
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フェーズ3:e-Taxで作成・送信する(スマホで完結)
集計が終わったら、申告書を作成してe-Taxで送信します。会計ソフトからそのままe-Tax送信する方法と、国税庁「確定申告書等作成コーナー」で作成する方法がありますが、ここではスマホで完結する基本手順を整理します。
用意するもの
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン
- マイナポータルアプリ(事前にインストール)
- マイナンバーカード発行時に設定した2種類のパスワード:利用者証明用電子証明書(数字4桁)と、署名用電子証明書(英数字6〜16文字)
送信までの手順
- マイナポータルアプリからe-Taxにアクセスし、マイナンバーカードをスマホで読み取って認証する
- マイナポータル連携を使うと、給与の源泉徴収票・医療費・ふるさと納税などのデータを一括取得し、申告書の該当項目へ自動入力できる(対応している控除のみ)
- 副業の収入・経費・控除を入力する(フェーズ2で会計ソフトに集計済みなら、その数字を転記または取り込む)
- 署名用電子証明書で電子署名を付与して送信する
- 受付番号を保存する(送信完了の控え。万一の問い合わせ時に必要)
NOTE
スマホ用電子証明書(スマホ自体にマイナンバーカード機能を載せる仕組み)に対応すると、申告のたびにカードをスマホで読み取る手間が不要になります。Android端末では既に利用でき、iPhoneでも令和8年(2026年)1月から「iPhoneのマイナンバーカード」が利用できるようになりました(国税庁・デジタル庁)。
副業会社員が忘れやすい1ステップ
副業を会社に知られたくない場合、申告書の**「住民税に関する事項」で住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に設定**するのを忘れないでください。これを選ばないと副業分の住民税も給与天引き(特別徴収)に合算され、住民税額のズレから会社に副業を察知されることがあります。仕組みの詳細は「副業が会社にバレる仕組み」で解説しています。
フェーズ4:納税する、または還付を受け取る
送信が終わったら最後の精算です。
- 還付の場合:指定した口座に振り込まれます。e-Taxで申告すると、書面提出より処理が早い傾向があります(時期は混雑状況によります)
- 納税の場合:口座振替(振替納税)、ダイレクト納付、クレジットカード納付、コンビニ納付(QRコード)、e-Taxからのインターネットバンキングなど、複数の方法から選べます。期限は申告期限と同じです
ここまで完了すれば、その年の副業の確定申告は終わりです。
副業ならではのつまずきポイント
手順そのものよりも、副業特有の「判断」でつまずく人が多いポイントを挙げておきます。いずれも本記事の範囲を超える論点なので、それぞれの専門記事に判断を委ねます。
- そもそも申告が必要か(20万円ルール):所得税と住民税で扱いが違います →「副業の20万円ルール」
- 雑所得か事業所得か/青色か白色か:節税幅と手間が変わる重要な分岐です →「副業の確定申告ガイド」
- 開業届を出すべきか:青色申告を狙うなら関係します →「副業で開業届を出すべきか」
「やり方(手順)」と「判断」を切り分けて進めると、作業が一気に整理されます。
よくある質問
マイナンバーカードがなくてもe-Taxで申告できますか
税務署で発行する「ID・パスワード方式」を使えばマイナンバーカードなしでも送信できますが、事前に税務署での本人確認が必要です。これから始めるなら、マイナンバーカード方式のほうが手続きが完結しやすく、マイナポータル連携による自動入力も使えます。
スマホがマイナンバーカード読み取りに対応していない場合は
ICカードリーダーを接続したパソコンから、確定申告書等作成コーナーで作成・送信できます。会計ソフト経由でのe-Tax送信も同様にパソコンで可能です。
申告期限に間に合わなかったら
期限後でも申告(期限後申告)はできますが、無申告加算税や延滞税が発生する場合があります。気づいた時点で早めに申告するのが、追加負担を抑える基本です。詳細な取り扱いは税務署・税理士に確認してください。
まとめ:手順は「準備 → 集計 → 送信 → 精算」
副業の確定申告のやり方を、実作業の順にたどりました。要点を整理します。
- 全体は準備 → 集計 → e-Tax送信 → 納税・還付の4フェーズ
- 準備するのは源泉徴収票・副業の収入経費・控除証明書・マイナンバーカード+スマホの4点
- 集計はクラウド会計ソフトに任せると、申告書がほぼ自動で組み上がる
- 送信はマイナポータルアプリ+マイナンバーカードでスマホ完結
- 会社に知られたくないなら普通徴収の選択を忘れない
- 還付だけなら2月16日を待たずに申告でき、期限を急ぐ必要もない
「やるか/どの区分で出すか」の判断が済んでいない方は、先に「副業の確定申告ガイド」で方針を固めてから、本記事の手順に戻ってきてください。
集計フェーズを軽くしたい方へ
手順のなかで唯一まとまった時間がかかるのが集計です。クラウド会計ソフトは銀行・カード連携で取引を自動取得するため、ここを大きく短縮できます。紹介した2サービスはどちらも無料から試せます。
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参照・引用元
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本記事は一般的な手順の整理を目的としています。個別のケース判断、税額計算、青色申告承認の可否などについては、必ず税理士・税務署・専門家にご相談ください。