AIスクールの料金ページを何社か開くと、似た数字が並びます。「最大70%支給」「実質◯円」「最大80%が戻ります」。
近い数字なので、同じ制度の話に見えます。ところが、これは別々の2つの制度です。所管する省庁も、お金を受け取る人も、申込前にやるべき手続きも違います。しかも片方は、2026年7月時点で新規の事業者公募が終わっています。
取り違えたまま申し込むと、あてにしていた十数万円が戻りません。
Navia編集部は、生成AI・AIツールの活用を学べる講座を扱うスクールの公式サイトと、厚生労働省・経済産業省の公開資料を2026年7月29日に確認しました。どちらの制度で、実際にいくら戻るのか。順に見ていきます。
結論:「給付金」と呼ばれているものは2つある
先に全体像を置きます。
| 比較項目 | 教育訓練給付制度 | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 |
|---|---|---|
| 所管 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
| スクールでよく見る表記 | 「最大80%」「最大64万円」 | 「最大70%」「最大56万円」 |
| お金を受け取るのは | 受講した本人(雇用保険から支給) | 補助事業者(スクール側)。本人は割引後の価格で受講する |
| 主な対象者 | 雇用保険の被保険者・離職者で、支給要件期間を満たす人 | 在職中で転職を目指す人(詳細は事業者ごとの要件による) |
| 申込前の手続き | 専門実践・特定一般は受講開始日の2週間前までにハローワークへ | スクール側の手続きに従う(ハローワークは経由しない) |
| 2026年7月時点の状況 | 継続中。指定講座は年2回入れ替わる | 六次公募をもって事業者公募が終了。七次は未定 |
| 還元額の計算基準 | 税込の受講料に対して計算 | 税抜の受講料に対して計算 |
制度の概要・給付率・手続き期限は厚生労働省の各パンフレット(2026年7月29日取得)および事務局サイトの記載に基づきます。「還元額の計算基準」の行は、SAMURAI ENGINEER公式の「受講料(税抜)の最大70%」という表記と、Navia編集部による各社公表金額の検算の両方で確認しました(後述)。
この表から押さえておきたいことが3つあります。
「最大70%」を掲げている講座は、ほぼ経産省側の枠です。 経産省側は事業者の新規公募が終わっているので、いま募集が出ているのは採択済みの事業者が持っている残りの枠だと考えるのが安全です。
経産省側は「あなたに給付金が振り込まれる」制度ではありません。 補助金を受け取るのはスクールです。受講者は最初から割引価格で申し込みます。手続きの負担は軽い。その代わり、制度が終われば割引もなくなります。
厚労省側は本人にお金が戻ります。代わりに、受講前の手続きが厳格です。 専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講開始日の2週間前までにハローワークへ書類を出さないと、修了しても1円も出ません。
「最大70%」の側は、すでに公募が終わっている
経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、AIスクールの料金ページで最も目にする制度です。最大56万円という数字で紹介されることが多く、補助事業者側の説明では、受講を修了した時点で50%、その後に転職して1年間就業を継続した時点で20%が加わり、合計で最大70%・上限56万円という設計になっています(ヒューマンアカデミー・SAMURAI ENGINEER両公式サイトの記載/2026年7月29日確認)。
ただし事務局サイトの事業者向けページには、六次公募をもって公募を終了した旨が明記されています。六次公募の締切は2025年9月16日正午で、七次公募の実施予定は2026年7月26日時点で告知されていません。掲載されている補助事業者の情報も2026年3月時点の注記付きで、同ページには六次公募から補助率を変更する旨の告知も出ています。制度の条件そのものが動いているということです。
受講者向けの申込導線そのものは動いていて、採択済みの事業者経由なら申し込めます。ただし、この制度を前提に「来年受けよう」と予算を組むのは今からでは危うい。いま出ている枠を使うなら早めに動く、という判断になります。
構造の面でもうひとつ。この制度は補助金を受け取るのが個人ではなく事業者です。だからスクール側は「支給される」ではなく「実質◯円」と書きます。あなたから見れば単なる割引で、雇用保険の加入歴も関係ありません。手軽なのは確かです。ただ、制度が終われば価格は元に戻ります。
制度そのものの全体像は 副業スクールで使える補助金・給付金 で整理しています。
厚労省の給付は3区分。80%は修了だけでは届きません
厚生労働省の教育訓練給付制度は3区分あり、戻る割合が大きく違います。
| 制度区分 | 給付率 | 年間の上限額 |
|---|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 受講中・修了で50% +資格取得・就職で20% +賃金5%以上の上昇で10% =最大80% | 40万円 +16万円 +8万円 =最大64万円 |
| 特定一般教育訓練 | 修了で40% +資格取得・就職で10% =最大50% | 20万円 +5万円 =最大25万円 |
| 一般教育訓練 | 修了で20% | 10万円 |
給付率・上限額は厚生労働省の各パンフレット記載の値です(2026年7月29日取得)。専門実践の「+10%」は令和6年10月1日以降に受講を開始した人が対象で、2026年7月時点でも有効です。
ここで効いてくるのが、80%は修了しただけでは届かないという点です。確実に受け取れるのは50%の部分。残る30%は、資格取得・就職・賃金上昇という追加条件を満たしたときの上乗せです。在職のまま学んで、転職も昇給もしなかった場合、戻るのは50%です。
受給資格の側にも条件があります。雇用保険の支給要件期間が原則3年以上(初めて教育訓練給付を利用する場合は、専門実践が2年以上、特定一般と一般が1年以上)。離職者は離職日の翌日から受講開始日まで1年以内である必要があります。
つまり「最大80%オフ」の表示だけを見て予算を組むと、支払い計画がずれます。まず50%で成立する金額かどうか。ここを基準にすれば、あとから困りません。
どちらで探すかは、3つの質問で決まります
制度の違いは見えました。講座を見る前に、自分がどちらの枠で探すかを決めておきましょう。判断に効くのは次の3つです。
| あなたの状況 | 厚労省の教育訓練給付 | 経産省のリスキリング支援 |
|---|---|---|
| 雇用保険の加入が2年以上ある | 必須。無ければ使えない | 不要 |
| 転職するつもりがある | 無くても50%は戻る | 転職+1年継続で+20%。転職しないなら実質50%相当 |
| すぐ始めたい | キャリアコンサルティング+2週間前提出で、着手までに数週間かかる | スクール側の手続きのみ。最短で始められる |
ここから導かれる答えは、だいたい3通りに分かれます。
雇用保険に2年以上入っている会社員で、転職も視野にある人。 厚労省の専門実践が本命です。給付率の上限が高いうえ、後述するとおり計算の土台もこちら側が有利です。手続きの手間を払う価値があります。
雇用保険の加入歴が浅い、あるいは今すぐ始めたい人。 経産省側の割引が現実的です。ハローワークを経由しないぶん、思い立った週に申し込めます。ただし新規の事業者公募は終わっているので、動くなら早いほうがいい。
転職する気がない人。 どちらの制度でも上乗せ分は乗りません。厚労省なら50%、経産省なら実質50%相当で、差はほとんど消えます。この場合は制度で選ばず、講座の中身で選んでください。それが一番損をしない選び方です。
自分がどちらの枠かが決まったら、その枠の表だけを読めば足ります。以下、制度別に並べます。
厚労省の指定がある、生成AI・AI活用系の講座
ここからは講座の話です。本記事では非エンジニアが生成AI・AIツールの活用を学ぶ用途に絞って扱います。機械学習エンジニアやデータサイエンティストの養成講座は指定講座の多数派ですが、目的が違うため対象外としました。
各社の公式サイトで2026年7月29日に確認した内容です。
| 施設名 | 講座名 | 制度区分 | 公式表示の受講料 | 公式表示の給付適用後 | 出典記号 |
|---|---|---|---|---|---|
| TechMentor | AI駆動開発 速習伴走コース(4週間) | 専門実践 | 248,000円 | 公式は「最大80%給付」のみ表示 | ◎ |
| TechMentor | AI駆動開発コース(3か月) | 専門実践 | 437,800円 | 87,560円 | ◎ |
| TechMentor | AI駆動開発&要件定義コース(6か月) | 専門実践 | 602,800円(税込) | 120,560円〜(税込) | ◎ |
| スキルアップNeXt | Python未経験からはじめるプロンプトエンジニアコース(18か月) | 専門実践 | 638,000円 | 最大510,400円が還元 | ◎ |
| ビジネス・ブレークスルー大学 | 実践型 生成AI活用キャンプ(3か月・全12回) | 特定一般 | 330,000円 | 165,000円〜 | ◎ |
| ビジネス・ブレークスルー大学 | with AI マーケティング戦略キャンプ | 特定一般 | 公式で要確認 | 公式で要確認 | ○ |
| キカガク | DXを推進するAI・データサイエンス人材育成コース(6か月) | 専門実践 | 公式サイトに記載なし(説明会で提示) | 公式PDFは「最大70%」と記載 | ○ |
◎=公式サイトで数字を直接確認できた確定情報/○=公式サイト記載だが条件付き、または編集部で数字を確認できなかった項目。すべて2026年7月29日にNavia編集部が各社公式サイトで確認しました。給付は受給要件を満たすことが前提で、実際の支給額は個人の受給要件・支給要件期間・過去の受給歴により変わります。
4社それぞれに、見るべきポイントがあります。
TechMentorは料金の見せ方が明快です。 3コースとも受講料を公開しており、AI駆動開発コース3か月は受講料437,800円に対して給付適用後87,560円と併記されています。437,800円の20%がちょうど87,560円なので、税込の受講料に80%を掛けた計算であることが確認できます。完全オンラインで、未経験者の受講が可能である旨も公式に明記されています。なお「Reスキル講座/専門実践教育訓練給付金」と明記されているのは速習伴走コースと6か月コースのページで、3か月コースのページは「最大80%給付」の表記に留まります。無料の説明会はTechMentor公式サイトから申し込めます。
スキルアップNeXtは期間の長さに注意してください。 プロンプトエンジニアコース(Python未経験向け)は18か月・638,000円で、公式表示は「最大510,400円が還元されます」。差し引いた実質127,600円という数字はNavia編集部の計算です。専門実践の年間上限は40万円なので、複数年にまたがる講座では受給のタイミングが分かれます。詳細はスキルアップNeXt公式サイトで確認できます。
ビジネス・ブレークスルー大学の2講座は特定一般です。 特定一般は最大50%(修了40%+条件付き10%)なので、専門実践と同じ感覚で「80%戻る」と考えないでください。実践型 生成AI活用キャンプは初心者でも受講可能である旨と指定番号が公式に記載されていますが、with AI マーケティング戦略キャンプは講座ページが別で、初心者向けの明記も確認できませんでした。対象者を確認してから選んでください。
キカガクは受講料が公開されていません。 説明会や問い合わせで提示される形です。給付率についても、公式ナレッジベースが配布している給付金案内PDFの記載は「最大70%」でした。令和6年10月に専門実践へ+10%が加わる前の資料である可能性が高いのですが、80%と明記された公式ページは編集部では確認できませんでした。実際の還付率はキカガク公式サイトの説明会で直接確認してください。
経産省の枠にあるAI講座
こちらは「最大70%」側です。同じく2026年7月29日に各社公式サイトで確認しました。
| 施設名 | 講座名 | 公式表示の受講料(税込) | 公式表示の実質負担 | 出典記号 |
|---|---|---|---|---|
| SAMURAI ENGINEER | 業務改善AI活用コース(12週間プラン) | 312,000円(入学金99,000円込・通常価格) | 113,455円(最大198,545円を支給) | ◎ |
| SAMURAI ENGINEER | 生成AI基礎実践コース(4週間プラン) | 198,000円(入学金99,000円込) | 72,000円(最大126,000円を支給) | ◎ |
| SAMURAI ENGINEER | 生成AIマーケティング実践コース(8週間プラン) | 298,000円(入学金99,000円込) | 108,364円(最大189,636円を支給) | ◎ |
| ヒューマンアカデミー | 生成AI・ノーコード講座(4〜6か月) | 330,000円+入学金55,000円 | 140,000円 | ◎ |
| ヒューマンアカデミー | AI総合講座(6か月プラン) | 440,000円〜(受講料・入学金込) | 160,000円 | ◎ |
| ヒューマンアカデミー | AIスタンダード講座 | 220,000円(受講料・入学金込) | 80,000円 | ◎ |
◎=公式サイトで数字を直接確認できた確定情報。2026年7月29日にNavia編集部が各社公式サイトで確認した値です。実質負担は所定の要件を満たした場合の金額で、支給の可否は各社および事務局の審査によります。ヒューマンアカデミーは上記3講座とも別途システム利用料5,940円が必要です。SAMURAI ENGINEERの312,000円は通常価格で、確認時点(2026年7月31日まで)は割引価格301,350円・実質109,582円も併記されていました。
この表を見るときに、外しやすい点が3つあります。
同じコースでも、期間プランによって対象外になります。 SAMURAI ENGINEERの業務改善AI活用コースは、12週間プランが対象。一方で8週間プラン(231,000円)は「給付金支給の対象外」と公式に明記されています。「このコースは給付金が使える」という粒度で覚えていると、ここで外します。学べる内容はChatGPTを使った業務改善やExcel・GASの自動化で、受講者の9割が未経験からのスタートと公式に記載されています。無料カウンセリングはSAMURAI ENGINEER公式サイトから予約できます。
受講料以外の費用が乗ります。 ヒューマンアカデミーの生成AI・ノーコード講座は、受講料330,000円のほかに入学金55,000円とシステム利用料5,940円がかかります。実質負担140,000円という表示は受講料と入学金を合わせた385,000円に対する計算で、システム利用料は別枠です。扱う対象はChatGPT・Gemini・Claude・Difyなど。講座構成はヒューマンアカデミー公式サイトに掲載されています。
同じスクールが両方の制度を持っていることがあります。 SAMURAI ENGINEERの業務改善AI活用コースのページには、経産省側の「実質113,455円」と並んで、厚労省の専門実践教育訓練で「受講料(税込)の最大80%・最大64万円」という記載も同時に載っています。上の表は、公式が実質額として示している経産省側の計算に沿って分類しました。ただ、どちらの制度で申し込むのかは、必ずカウンセリングで確定させてください。手続きも受給要件もまったく違います。
「給付金対象」とだけ書かれていて、どちらの制度か明記していないスクールもあります。割引率が50%前後なら厚労省の特定一般か専門実践の初回分、70%前後なら経産省側である可能性が高い。とはいえ推測で決めるものではないので、申し込む前に制度名と指定番号を聞いてください。
なお、ここまでに挙げた講座はいずれも制度の対象という切り口で拾ったものです。制度を外した状態でのスクールごとの料金水準や特徴は AIスクールの比較 に整理しています。
「実質◯円」は、計算の土台が違う
上の2つの表を並べると、気づくことがあります。同じ「70%」でも、何に対する70%なのかが違うのです。
経産省側は、SAMURAI ENGINEERが公式に「受講料**(税抜)**の最大70%(上限56万円)の支給」と書いているとおり、支給額の計算基準が税抜です。ヒューマンアカデミーも70%表記の直下に「消費税分を除く」と注記しています。
そして支払う側の金額は税込です。この組み合わせを検算すると、各社の「実質◯円」がぴたりと再現できます。
| 講座 | 支払う金額(税込) | 税抜換算 | 支給額=税抜×70% | 実質負担=税込−支給額 | 公式表示の実質負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| SAMURAI 業務改善AI活用(12週) | 312,000円 | 283,636円 | 198,545円 | 113,455円 | 113,455円 |
| SAMURAI 生成AI基礎実践(4週) | 198,000円 | 180,000円 | 126,000円 | 72,000円 | 72,000円 |
| ヒューマンアカデミー 生成AI・ノーコード | 385,000円 | 350,000円 | 245,000円 | 140,000円 | 140,000円 |
| ヒューマンアカデミー AI総合講座 | 440,000円 | 400,000円 | 280,000円 | 160,000円 | 160,000円 |
この表の「税抜換算」以降はNavia編集部が各社の公表価格から算出した検算値です。4講座すべてで公式表示の実質負担と一致しました。
ここが実際の負担に効いてきます。支給の計算は税抜、支払いは税込なので、消費税分は読者の側に残ります。表示が「70%オフ」でも、支払総額に対する実際の軽減率は約63.6%です。
一方、厚労省側のTechMentorは437,800円(税込)に対して実質87,560円で、これは税込価格の20%。つまり給付80%が税込価格にそのまま掛かっています。同じ講座価格なら、厚労省側のほうが消費税分だけ有利に計算されます。
数字にすると、税込33万円の講座で「70%」と言われた場合、戻るのは21万円(税抜30万円の70%)で実質12万円。同じ33万円で税込ベースの70%なら実質は9.9万円です。差は21,000円です。
だから、スクールの「実質◯円」は、その表示のまま比較してください。パーセンテージ同士を比べても揃いません。パーセンテージは制度側の話、実質額はスクール側の計算結果であって、両者は同じものを指していません。
申込前に必ず踏む手順(ここを外すと1円も出ません)
厚労省の教育訓練給付は、「後から申請すればもらえる」制度ではありません。専門実践教育訓練と特定一般教育訓練では、受講を始める前の手続きが必須です。
- 受給資格があるか確認する。雇用保険の支給要件期間が原則3年以上(初めて利用する場合は専門実践2年以上、特定一般・一般は1年以上)。離職者は離職日の翌日から受講開始日まで1年以内であることが必要です
- 訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受ける。訓練対応キャリアコンサルタントが実施します。受講開始前1年以内に受けたものであることが要件です
- 受給資格確認票とジョブ・カードをハローワークへ提出する。期限は受講開始日の2週間前まで(郵送も2週間前まで、消印有効)。提出先は原則、本人の住所を管轄するハローワークです
- 受講開始日時点でその講座が指定されているかを確認する。ハローワークと教育訓練施設の双方に確認してください
一般教育訓練は事前手続きが不要で、修了日の翌日から1か月以内に支給申請します。受講開始日前1年以内にキャリアコンサルティングを受けていれば、その費用を上限2万円まで教育訓練経費に加算できます。
手順2と3を飛ばすと、対象講座を修了しても支給されません。スクールの申込フォームを埋める前に、ハローワークへ行く日を先に押さえてください。
なお、支給額が4,000円以下になる場合は支給されません。数万円台の安い講座を一般教育訓練(20%)で受けると、この下限に当たることがあります。
講座は入れ替わります。指定番号で確かめてください
指定講座は永続的なものではありません。指定は年2回(4月1日・10月1日)に更新され、指定期間は原則3年。事業者側の都合で、講座そのものがなくなることもあります。
実例があります。アイデミーは個人向けサービスを2026年6月30日で終了したことを公式に告知しており、給付金の案内ページも現在は問い合わせ先へ転送されます。数か月前に書かれた比較記事を読んでいると、もう申し込めない講座が候補に残り続けます。
確認は3ステップで終わります。
- スクールの公式サイトで指定番号を確認する(例:ビジネス・ブレークスルー大学の実践型 生成AI活用キャンプは1322004-2510013-7、スキルアップNeXtのプロンプトエンジニアコースは1310232-2520081-0、キカガクのDX人材育成コースは1310211-2310011-0と公式に記載されています)
- 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システムで、その番号または講座名を検索して現在も指定されているか確認する
- 受講開始予定日に指定が有効かをハローワークに確認する
指定番号を公式サイトに書いているスクールなら、この確認は数分で終わります。書いていなければ問い合わせてください。番号を答えられないスクールは、その時点で候補から外して構いません。
もうひとつ、頭に置いておきたいことがあります。給付金という条件を先に立てると、選べる講座は一気に減ります。逆に給付金を外せば、選択肢は桁違いに増えます。「制度を使うこと」と「必要なスキルを得ること」のどちらを優先するか。ここを決めてから探し始めると、迷う時間が減ります。判断の軸は AIスクールと独学のどちらを選ぶか で、支払う金額に見合うスキルかどうかは 副業スキルの市場価値とスクール料金 で整理しています。
まとめ:制度を取り違えたまま申し込まない
- 「給付金」は2制度ある。厚労省の教育訓練給付が「最大80%」、経産省のリスキリング支援事業が「最大70%/最大56万円」
- 経産省側は六次公募をもって事業者公募が終了(締切2025年9月16日)、七次は未定。先の予算をこの制度前提で組まない
- 経産省側は補助金を受け取るのがスクール。受講者は割引価格で申し込む形で、雇用保険の加入歴は不要
- 厚労省側の80%は修了だけでは届かない。確実なのは50%、残りは資格取得・就職・賃金上昇の条件付き
- 「実質◯円」は計算の土台が違う。経産省側は税抜ベース70%(支払総額に対する実際の軽減率は約63.6%)、厚労省側は税込ベース。率でなく実質額そのものを比べる
- 専門実践・特定一般は受講開始日の2週間前までにハローワークでの手続きが必須。飛ばすと支給されない
- 講座は入れ替わる。指定番号を確認してから申し込む
制度を切り分けて見ると、非エンジニア向けに生成AI・AIツール活用を学べて、公的支援の対象にもなっている講座は、決して多くありません。目的に合うものがその中にあれば、制度を使う価値は大きい。なければ、支援の枠を外して選ぶほうが早く着きます。
最初の一歩は難しくありません。自分が上の3つの質問のどれに当てはまるかを決めて、該当する制度の講座を1つか2つ選び、無料説明会かカウンセリングで制度名と指定番号を聞く。ここまで進めば、あとは講座の中身で決めるだけです。
なお本記事は制度の一般的な情報をまとめたものです。受給資格の有無・支給要件期間・給付額の確定は個人の雇用保険加入状況によって変わるため、最終的な判断は住所を管轄するハローワークへ確認してください。講座の内容・料金・対象要件は各スクールの公式サイトおよび担当者への確認を優先してください。
参照・引用元
- 専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金のご案内(PDF)|厚生労働省(2026年7月29日取得)
- 特定一般教育訓練給付金のご案内(PDF)|厚生労働省(2026年7月29日取得)
- 一般教育訓練給付金のご案内(PDF)|厚生労働省(2026年7月29日取得)
- 教育訓練給付制度|ハローワークインターネットサービス
- 教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム|厚生労働省
- 専門実践教育訓練講座の申請手続について|厚生労働省
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 事業者向けページ(2026年7月26日確認)
- 各スクール公式サイト(2026年7月29日確認):TechMentor/スキルアップNeXt/ビジネス・ブレークスルー大学 実践型 生成AI活用キャンプ/キカガク/SAMURAI ENGINEER 業務改善AI活用コース/SAMURAI ENGINEER 生成AI講座/ヒューマンアカデミー
本記事は一般的な情報提供を目的としています。受給可否は個人の雇用保険加入状況・受給歴により異なります。最終的な判断は、居住地を管轄するハローワークおよび各教育訓練施設にご確認ください。